2011年12月22日木曜日

玉原湿原ニュース12月18日


調整池は完全に凍結しています。
雪が降り、新雪は30cm~50cmほど、初めてスノーシューを装着しました。

玉原の自然をガイドしている仲間2人と入山です。
積雪は軽く、歩くのにさほど負担は感じられないように思いますが、
今シーズン初めてのことですので無理をせず、湿原周辺散策としました。

玉原の様々の物達を埋めようと雪が降り続けます。
気温が氷点下のために雪の結晶が溶けることなくそのまま積み重なってゆきます。
そのため結晶と結晶との癒着が無く、サラサラのパウダースノーになってゆくのでしょう。

湿原では高架木道が雪に埋もれ、不鮮明です。
そのためストックで木道の位置を確認しながらの歩行でした。

湿原南東部から人間の奇声が聞こえてきます。
「静かに玉原の自然を楽しめないのか!!」と、ちょっと不機嫌になりながら、
環境センターに近づいたところで轟音が響きました。銃声です。
こんな間近で銃声を聞くなんて、玉原をパトロールするようになって初めてのことでした。

早めの昼食を環境センターで取っていると、
センター前にハンター7人が集結してきましたので、その中に入り話を伺うことにしました。

埼玉からのハンターで玉原周辺の地形にかなり詳しく、大分慣れている様子でした。
リーダーと思われるハンターに尋ねると、狙ったのはイノシシ、かなりの大物で、
残念ながら夜後沢(水上側)方向に逃げられたとのこと、
その他ニホンジカを2頭確認したとの話を聞くことが出来ました。
イノシシとニホンジカは両種とも玉原の自然に悪影響を及ぼす者達なのです。

そしてリーダーらしき人物は
「自然の中で、悪さをする者達(有害獣)を俺たちはやっつけて居るんだ!!」と話していました。

イノシシとニホンジカは確かに有害獣で駆除していただけるのはありがたいのですが、
やはり少し複雑でした。

今シーズン初スノーシューでしたが、大分足腰に負担がかかった様子で、
スキーパーク駐車場への雪の壁がきつかったです!!

オニルツルウメモドキ
コマユミ
タムラソウ
ヒロハツリバナ


調整池

2011年12月15日木曜日

玉原湿原ニュース12月10日


車のタイヤを新品のスタッドレスに履き替え入山です。

下界は晴天でしたが、玉原は冬型の気圧配置模様で風が強く寒い!
そのためカイロを入れ、耳カバーを付けてのスタートでした。
積雪は平均して10cm程でしょうか、
そのため用意をしていきましたスノーシューは置いていきました。

環境センターは既に雪囲いが済まされています。
ここから湿原方向に向かいたいところですが、高架木道が滑りやすいので湿原はあきらめ、
ダム管理道路を進み藤原越え切り通し方向からブナ平を目指すことにしました。

調整池は全面結氷まで後わずかです。
しばらく進むと雪上に今まで見たことのないおかしなフィールドサインが出来ています。
30cm程の巾でラインが引かれています。
よく見ると中央にテンの足跡が残されています。
これはテンが何かを口にくわえて引きずったものと考えられます。
こんな想像が出来るのは雪シーズンでなければ出来ないことです。

藤原越え付近でリスの足跡を確認。その後長沢を越えブナ平に下りました。

ブナ平には胸高幹周りが4mを超え、推定樹齢400年を超える元気な巨大ブナがあります。
そのブナに触れてお願いをしてきました。
病を抱えている仲間と、諸事情で元気を無くしている仲間に「どうかパワーを!」と、
そして少しだけ私にも分けてくださいと・・・・・・

遊歩道では何者かによって雪が攪乱されています。
餌を探したのでしょう。側には偶蹄目の足跡が残されています。イノシシでしょうか?
それともニホンジカ・ニホンカモシカか?
側には自然史博物館のカメラトラップがあります。確認が楽しみです。

ブナ平を下るときに尼ケ禿山方向から大きな銃声が聞こえてきました。
鳥獣害対策が話し合われ、鳥獣保護区の縮小を要望する方々が居るようです。
しかし玉原につきましては保護区とは言いませんが、銃禁止指定がされるよう望みたいです。
これから厳冬期に入ってもスノーシューで入山する方々が多くなると予測され、
非常に危険なのですから・・

テン・フィールドサイン
リス足跡
巨大ブナ

自然観察センター
調整池

2011年11月17日木曜日

玉原湿原ニュース11月6日


ここ数日の週末は天候に恵まれていませんが、
思いがけず時間が取れたので悪天候の中、仲間を誘っての入山でした。

紅葉前線は、あっという間のスピードで下っていました。
玉原高原への途中にある強清水(こわしみず)も良い趣になっていました。

湿原ではトンボたちの姿もなく、周辺にあるナナカマドやズミ、
そして遊歩道沿いのアクシバの実は滴を溜、来る雪をじっと待っているような気がしました。

ブナ平ルートを左回りでの巡視でした。
遊歩道沿いでは晩秋の食用キノコのクリタケやキナメツムタケを確認。
そして本年画像を撮ることが出来ず、残念に思っていました。
ウスキブナノミタケの新鮮な個体にも会えました。
このキノコの傘は5mmにも満たない小さなキノコですが、
ブナの森でしか生えていないキノコなのです。
それは名前にもあるようにブナの実から出ているキノコなのです。
11月になっても出会えて幸運でした。

ブナ平下山時に事件に遭遇しました。
ここにはホウノキとブナでニホンミツバチが営巣をしています。
それを狙ってツキノワグマがアタックを繰り返していたのです。
そのためにその現場を押さえようと、自然史博物館によってカメラトラップが仕掛けられています。しかしアタックをしたのは熊ではなく、キイロスズメバチでした。

ホウノキの巣はかなりダメージが大きい模様で、出入りする蜂の姿は少なく、
入り口には蜂の死骸が重なり、まだ動いている個体もありました。
またブナに作られた巣は沢山のニホンミツバチが飛び交っていました。
この時季には花もなく蜜を集められないはず、
このことで蜂たちがあわて右往左往している状況だと推測しました。
ここでは2頭のキイロスズメバチが活動し、捕まえては食べていました。

過去にスズメバチの襲来を察知した巣では、
蜂たちが数十匹で入り口を固めスズメバチに向かって
威嚇行動を取っているのを確認していましたが、本日はほとんど確認できませんでした。
多分その役割を持つ蜂たちが殺され、巣穴入り口に積み重なっているのかも知れません。

玉原のブナの森での生態系の一部分です。我々はただ見守るだけでした。

環境センターで昼食後、サイクリングロード経由で帰路につきました。
そこでは冬鳥として玉原にやって来ましたアトリの群れに出会い、
画像を撮ることが出来ました。
ここではダム工事時の土捨て場に植えたケヤマハンノキの種子を狙って群れるのです。

名残の紅葉のコミネカエデがきれいです。そしてアキグミも熟しています。
口に含むと渋みが広がりますが、酸味も薄れ美味しい甘みを感じることができました。

ナナカマド
クリタケ
アキグミ

2011年11月8日火曜日

玉原湿原ニュース10月30日


10月1日以来のレポートです。けっしてパトロールをサボっていたわけでなく、
カメラの修理やレンズ交換等あり、その間小型のカメラで対応していたのですが、
画像が気に入らず報告を送りませんでした。
そのため、玉原のクライマックスの画像を送れなかったことをお許しください。

例年より少し早めに来た紅葉前線も過ぎ、いまや名残の紅葉と言うところでしょう。
本年はミズナラを除けば実が豊作で、遊歩道で確認できるテン達の糞は、
サルナシの実で満たされていました。
しかしブナの実も大豊作なのにツキノワグマの気配が無く、
ブナに作られるクマ棚もあまり確認できません。どうしたのでしょう?
熊の絶対数が激減したのでしょうか?

センターハウス横にあるミズナラにクマ棚が確認できます。
本年はドングリの実が小さく数も少ないはずです。
それとブナの実が絶対に美味いはずなのに、なぜミズナラに登ったのでしょうか?
幹にはしっかりと新しい爪痕が残されていました。

ドングリはデンプン質と水分それにタンニンが含まれます。
そしてブナはデンプン質と脂肪で出来ています。
ブナが絶対に美味いはずなのに、変わり者もいるのですね!

天候は曇り空から小雨模様、気温も上がらずフリースを着込んだまま脱げませんでした。
ツリバナの実達もまだ残されていますが、色合いに精彩がありません。
それでもコマユミのオレンジ色はまだまだきれいでした。
そしてヤブ陰ではツルリンドウの赤紫色の実が鮮やかでした。

調整池で定点画像を撮っていると、水面に大きな魚体が動いているのが確認できます。
それは40cmを越える大きなイワナで、産卵に来たのでしょうか?
カップルでゆったりと泳いでいました。

藤原越えの分岐から水上側へ。
しばらく下ると、そこではリョウメンシダが覆い茂り、
玉原からの水が湧き出て沢を構成始めています。
その一角でぬた場を確認しました。
獣が体に着いたダニなどの寄生虫を落とすために泥を浴びる場所で、
周辺にはニホンカモシカと思われる足跡が残されていました。

次回の入山は11月半ば過ぎになる予定です。ブナ林は冬木立になっているでしょう。
そして雪もちらついてくるかも知れませんね。

イワナ
カモシカ足跡
クマ棚
コマユミ
ツルリンドウ
ぬた湯

ミズナラ・爪痕
玉原湿原

2011年10月26日水曜日

玉原湿原ニュース10月16日


前日からの雨で心配されましたが、
恒例の利根沼田自然を愛する会秋の研修会(キノコ汁)が行われました。

朝、玉原森林キャンプ場に着くと、周辺の紅葉がそれはきれいでした。
木々が雨に濡れているために、朝日の光で輝きを増しているのでしょう、素晴らしかったです。

20名の参加があり、自然観察斑と調理斑に分かれ早速行動でした。
私は調理斑に残ったのですが、ほとんど何もせず周辺の散策でしたが、
○●理主任と○●事務局・○●夫人の3名によって、
キノコ入り雑炊・キノコすいとん・キノコうどんの3品を作っていただきました。

素晴らしいキノコの出汁が出てそれは美味しい昼食会となりました。
ちなみに鍋に入りましたキノコは、
ナラタケ・ヒメシロタモギダケ・タマゴタケ・スギタケモドキ・ムキタケ・ウスヒラタケの6種でした。

天候にも恵まれ、素晴らしい紅葉のロケーションの中での食事会は最高でした。
また来年もこの企画が続きますよう期待をしましょう。

今回は東急リゾートの荒木総支配人も参加をしていただきました。
玉原の素晴らしい自然を理解していただき、自然保護にもご協力願えたらと思います。
ありがとうございました。

追伸:タイ・アユタヤの洪水被害が連日TVで報道されていますが、
私の幼なじみが釣り具の〔ダイワ〕のバンコク支社長をしています。
まだその工業団地には水は来ていないらしいのですが、土嚢作りの画像が送られてきました。
洪水の影響で、社員は100名程欠勤状態で、大変な模様です。
私の活動の理解者で、長靴やら雨具など提供していただいています。
無事やり過ごせることを祈っています。



2011年10月11日火曜日

玉原湿原ニュース10月8日


明日は月例観察会ですが、駆け足でキノコの様子が知りたくて玉原を回りました。

ツリバナ達がきれいです。あすの観察会では解説の必須項目です。
キノコはまだ駄目でした。
でも、遅れていましたナラタケの幼菌を確認できましたので、
16日の秋の研修会は期待できそうです。

午後に女房殿の予定が入っていましたので、駆け足での散策でした。
●●さんとホタカサンルートに新設されたカメラトラップ現場の一つに、
ツヤクロスズメの巣を狙ったところがありますが、
仲間から「巣が無かったかも知れない!」との情報を貰っていましたので確認に向かいました。

ホタカサンルートには銘木百選の「トチノキ」がありますが、
その標識にクマの毛が残されます。
前回訪ねたときの毛は、●●さんがサンプルとして採集をしたはずですが、
本日、また沢山の毛を確認しました。
新しい噛み痕が確認できませんので、クマが立ち上がり、
体をこすり付けて行くのでしょうか?
もしかしたら、かゆくて体をこすっているかも知れませんね。

ツヤクロスズメのポイントでは、やはり巣が存在しませんでした。
クマの爪痕が残されていますが、あまり新しさを感じません。
過去に何度もアタックを繰り返し、本年やっと本懐を遂げたのかも知れません。

とにかく、カメラトラップに写っていることを期待したいです。

2011年10月7日金曜日

玉原湿原ニュース10月1日


気圧配置が弱い冬型のようです。
風が強く木々が大きく揺れ、半袖Tシャツと作業着では肌寒く感じます。
それもそのはず、環境センターの温度計は12度でした。

前橋からの仲間と、環境センターの清掃を済ませて、湿原から尼ケ禿を目指しました。


遊歩道沿いでは、まだ紅葉しない緑の葉陰に揺れるニシキギ科の赤い実が映えています。
エゾツリバナやオオツリバナ・ヒロハツリバナそしてコマユミ等、
例年に比べて本年は多く感じられきれいなのですが、
東京からやって来た入山者からは「紅葉前の中途半端な時季ですか?」と問いかけられ、
「今少し細かなところを見てくれれば、沢山感激できるのに・・・」と思ってしまいました。

タムシバ(花・5.28報告125参照)の実も数多く目立ちます。
そして足下では日本固有種のオオバユキザサの実が輝きます。
この実は透明感があり宝石のようでした。

この時季に赤い実を付ける者達には捕食者に向けて、それぞれの戦略を持っているのです。
まずは「緑色の葉と赤い実」、色合いが反対色の為に否が応でも目立ちます。
次ぎに「風に揺れる」事で好奇心をあおるのです。
このことで鳥達に食べられ、種子を遠くに運んで貰うのですが、植物には脳が存在しません。
考えての行動では無いのですが、進化って素晴らしい!!

湿原では鳴き声が美しいコウロギ科のカンタンが、トリカブトの花を食べています。
トリカブトは人間にとって全草毒なのにへっちゃらの昆虫がいるのですね!
もしかしたらトリカブトを食べることによって、その毒を体内に取り込み、
天敵から身を守る手段としているのかも知れません。

木道上で獣の糞を確認。内容物はマタタビ科サルナシで満たされていて、
本年は沢山見つけることが出来ます。
木登りができる獣としてテンが想像され、その糞とおもわれますが、
どうやらサルナシも大豊作のようです。

林内でヒダリマキマイマイを見つけました。
殻の色が濃いのでチャイロヒダリマキマイマイのようですが、2個体います。
交尾でもしたのでしょうか、秋に交尾をし産まれた卵は翌春に孵化をするとあります。
しかし寒い!ゆっくりしていないでいそいで冬眠をしないと凍えるぞ!!

10時には山頂に着き、正午には環境センターでした。
寒いはずです、気温は13℃朝から一度しか気温が上昇していませんでした。