2011年9月28日水曜日

玉原湿原ニュース9月23日


ブナ平に訪れる入山者が多くなり、遊歩道が踏みつけられて固まり、
水はけが悪くなりました。
そしてぬかるみが生まれ、そこを避けるために遊歩道の巾が広がり、
それを解消するために3年前に木道敷設が計画され、市民協働で実行されました。

協力していただいた方々は、
沼田市観光交流課・尾瀬校理科部そして利根沼田自然を愛する会の総勢20名です。
このメンバーによって木道材20枚その枕木材20本を設置現場まで人力で運びます。

3年目ともなりますと設置作業は手慣れた物です。
この計画を開始した頃は木材を運びながら周辺の景色を見る余裕などとてもありませんでしたが、
本日は足下で顔を覗かせていた可愛いタマゴタケを見つけ、
画像に納めたり楽しみながらの作業が出来ました。

しかし、板と枕木を固定するために釘を打たなければならないのですが、苦戦の連続です。
慣れない釘打ち作業で釘がまっすぐに入ってくれないのです。
その見事(?)な痕跡が木道に残されました。(もちろん打ち直しました。)

本日の作業で20mの木道が新設され、
3年間におよんだブナ平周遊コースの木道敷設が完了でした。
協力をしていただきました皆さん本当にご苦労さまでした。

作業は午前中で終了。昼食後は自由散策でした。
環境センターに戻る途中で小さな蝶がナギナタコウジュやナンブアザミで吸蜜しています。
良く確認するとその蝶はウラナミシジミで、私はずいぶん久しぶりに遭う蝶でした。

この蝶は房総付近を土着地としていて、
マメ科の植物を食べながら何度も発生を繰り返し北部へ移動してくるのです。
豆畑の減少や農薬散布によって激減し、現在、群馬県評価・準絶滅危惧種に指定されています。

ここでは越冬出来ませんので、このまま死滅してゆくのですが、
木道作業のご褒美を貰った気分でした。

2011年9月22日木曜日

玉原湿原ニュース9月18日


ツキノワグマの行動が気になり、入山です。

まずは、アキノギンリョウソウにご機嫌伺いです。
本年は特に成長が遅いのですが、それでも色合いが良くなってきました。
鱗片が黒く汚れてしまいましたが、ゼブラ模様のようでこれもまた良いかな?

環境センターに向かう道筋で黄色いヤクシソウが確認できます。
「薬師草」と書きますが、ほとんど薬効が無いらしく、
噛むと苦いので薬になると勘違いをしたようです。
この命名にはイエローカードを出したいですね!
でも、葉の形が薬師如来の光背に似ているからとの説もあり、これを支持したいと思います。

見上げると、ヒロハツリバナの赤い実が風に揺れています。
実の形がまるでUFOを思わせ、私は好きです。
ツリバナの仲間は、これからの紅葉シーズンに彩りを添える必須アイテムとなります。

湿原はヌマガヤの穂が風に揺れています。
これから秋色が進み草紅葉になってゆきます。
木道上ではヒメアカネが日向ぼっこ?をしています。
いや、そうではなく羽を休めているのですね!
例年ならば寒さが増し、日向ぼっこをしているのですが、本日は暑いのです。
登りでは汗だくになりそうです。

ツキノワグマがブナに登ったのではないかと、
それを確認したくて午前中はブナ平、午後はホタカサンルート方向の巡視でした。

大きなかごを背負ったキノコ狩りの方々を多く見かけます。
本年は気温が下がらず、まだキノコシーズンには早いと思っていましたが、
意外と多くの種を見つけることが出来ましたので、3種ほど紹介します。

まず、サンゴハリタケ、このキノコはブナ帯のキノコで、
白くサンゴ状に分岐したくきから沢山の針を垂れ下げます。
普通想像されるキノコとは形が違う、きれいなキノコですが、
それほど多く見かけることはありません。

次はヒメスッポンタケです。
キノコの傘になる部分にグレバと呼ぶ粘液を持っているキノコで、悪臭を放ちます。
この臭いに引き寄せられたハエやアブが粘液にふれ、胞子を運んでくれるのですが、
こんなキノコでも食する人たちがいるのです。

秋のキノコの定番と言えばナラタケでしょう。
良い出しが出て、収穫量も多く期待の出来る種ですが、
本年は早めに顔を出したのでしょうか?黒く傷んだ物を沢山見かけました。
新しいクマ棚は確認できませんでした。
しかし、あれほど台風で落とされましたブナの実を、遊歩道で見ることがありませんでした。
拾い食いをしたのでしょうか?それとも他の獣が運んだのかも知れません。
不思議なのは昨年と比べてクマの気配が無いのです。どうしたのでしょう?

巡視後、ペンションのテラスでコーヒーをいただいていると、
庭をルリボシヤンマが巡回をしています。
そばに小さな人工的な水たまりがある様子で、そこで生活をしているようです。
このトンボは氷河期に日本に侵入してきたもので高地の湿原を好みます。
玉原湿原でも良く確認できるのですが、ペンションの庭で見られるなんて!素晴らしい!!


追伸:23日にブナ平に木道を敷設します。
これは沼田市との市民協働で行うのですが、急な坂を人力で担ぎ上げなくてはなりません。
しかし本日確認しますと、ブナ平まで、既に担ぎ上げてありましたーー(笑顔)。
沼田市観光交流課の皆さん、本当にご苦労さまでした。

木道敷設にご協力願える方々募集しています。良い汗をかきませんか?
9:00野鳥の看板前に集合でーーす。

2011年9月21日水曜日

台風接近中です


お久しぶりの更新になってしまいまして、すみません!

今日にかけて大型の台風15号が接近しています。
皆様お住まいの地域は大丈夫ですか??
避難を強いられている方々は不安な日々をお過ごしかと思います。

たんばらでも今ちょうど雨風が強くなってまいりました。
スキー場の準備も進行中ですが、外作業についてはちょっと休止。
中の準備等は着々と進んでおります!

広報部隊はホームページやパンフレット、広告などの準備に奮闘中です!
お得な情報の準備も着々と進めておりますので、お楽しみに♪

日々、リフトの準備も進行。
但し、今日はお休み。
風は写真に撮れませんでしたが、強いです・・・。

売店では絨毯のクリーニングをしています!きれいになりますよ♪

2011年9月7日水曜日

玉原湿原ニュース8月27日


湿原はタムラソウが見頃となり、ウメバチソウも確認できます。
そしてわずかですが、
トリカブトの仲間で白馬原産で玉原が東限と思われるハクバブシも咲き出しています。

ただ気になることが一つ。この時季にはコオニユリが実(種)を着けているはずですが、
ほとんど見られません。何者かに食べられた形跡があります。
この犯人は多分ニホンジカと思われますが、今後の食害が心配されます。

湿原の上空を、高地湿原種のルリボシヤンマと里でもなじみ深いオニヤンマが
飛び交い縄張り争いをしています。
そして小さな水たまりでルリボシヤンマの♀が産卵をしています。
トンボの産卵というと、水面を尻ではたく「打水産卵」を思い浮かべますが、
このトンボは組織にしっかりと生み付ける堅実派なのです。

木道を歩いていると小さなトンボが弱々しく飛び立ちました。
それはヒメアカネで、アカネ属で一番小さなトンボです。
まだ羽化して間もなく、雄か雌か解りませんが、これからシーズン遅く、
霜が降りる頃まで活動を続けてくれます。

遊歩道ではマルバフユイチゴの実が熟しています。酸味の強い味ですが、
健康になりそうな味でした。

ブナの立ち枯れの幹からスギタケモドキが沢山発生しています。
キノコというと「食・毒」が気になるところですが、
このキノコは図鑑によっていろいろで、信号にたとえると、
「赤・黄・青」と評価が異なっています。
スギタケの仲間で毒キノコはツチスギタケのみと記憶していますが・・・・・・気を付けましょう。

ブナの幹でアカアシクワガタを見つけました。
最初は自由に歩かせ画像を撮っていたのですが、どうも決まりません。
そこで摘んで撮影ポジションに移動、
怒ったクワガタは角を振り上げピクチャーポーズを取ってくれました。(ゴメンね!)

ヒノキの林床でアケボノシュスランが咲き始めました。
林内は薄暗いために花の色が白く、曙色をしていません。
何とか見つけて画像を確保したのですが、フォーカスの精度がいまいちです。
来週撮り直しをしましょう。

一二沢ミズバショウ群生地に立ち寄ると葉が踏みつぶされています。
どうやらツキノワグマが実を求めて攪乱した様子です。
昨年の今頃はウワミズザクラの実を求めて木登りをしていたのですが、
本年は凶作で実がありません。そのためミズバショウで空腹を満たしたのだと思われます。

あと二〇日程でブナの実が熟します。ガンバレ!!