2012年5月31日木曜日

5月27日玉原高原の新緑


玉原の新緑がきれいです。
ブナの葉は柔らかい緑で、陽に透けると森がライム色になります。
そして暖かさに誘われてエゾハルゼミも鳴き出しました。

足下では、昨年大豊作であったブナの実が発芽し、
ハート型の実生を沢山見つけることが出来ます。
また温んだ水たまりではアズマヒキガエルが産卵をしていました。

玉原を訪れる方々は、何時の季節がきれいなのか解ってきた様子で、
この日も沢山の入山者で溢れていました。
茨城県水戸市からの方々は、大型バス4台で訪れ、
2グループに分かれてブナ平~湿原を歩いた様子で、
この方々が通りすぎるまで身動きが取れませんでした。

本日は、昨年に玉原の動物達の姿をカメラに捕らえようと、
自然史博物館によって取り付けられましたカメラトラップのデータ回収に協力でした。
ホタカサンルートに2台のカメラを設置してありましたが、
そこではツキノワグマ・テン・キツネ・ヤマドリ等そして人間も映っていました。
これから他のカメラのデータ分析がされますが、何が出てくるか楽しみです。

昼食後は、夜後沢方向からブナ平へ。
そこではスミレサイシンの花を確認。
また長沢の急坂では花期の短いヒゲネワチガイソウをやっと探し当てました。

ブナ平にとりついた頃は4時。
賑やかだった玉原は静けさを取り戻していました。

ヤシャビシャクの花が咲いています。
この植物はブナの老木に着生するのですが、
園芸採取によって激減し、群馬県では〔絶滅危惧Ⅱ類〕に指定されました。
私の撮影ポイントは、ブナの古木の太い枝が折れ落ち、
その時に一緒に付いていたのですが、現在は30cm程まで育ち、花も増えていました。

ネットでヤシャビシャクを調べようと検索していましたら、
販売サイトがあり、そこでは¥680~¥3150で販売しているのです。
複雑な気持ちになりました。

倒木の穴から沢山のブナが発芽しています。
これは昨秋ネズミが餌として集めたのに忘れてしまったのでしょう。
まるで「かいわれ大根」の様でした。

アズマヒキガエル

エゾハルセミ

スミレサイシン

チシマザサ

ネズミの忘れ物(ブナの実生)

ヒゲネワチガイソウ

ブナの実生

ブナ新緑

ヤシャビシャク

玉原高原のラッシュ

2012年5月25日金曜日

5月25日玉原湿原と周辺


2週間ぶりに湿原に行ってきました。
水芭蕉も終わり新たに、タムシバ・ムシカリ等の白い花や、
ムラサキヤシオ・イワナシ等の赤い花も咲き始めておりました。
ワタスゲは花から種子に代わり始めこれから白い綿毛が楽しめそうです。
今年は昨年よりもワタスゲの個体数も多く感じます。
クロサンショウウオも卵から少しずつ形を変えてきておりました。

湿原を離れ周辺を散策するとサンカヨウ・キクザキイチゲ等の群落に出会うことが出来ました。
また足元にはブナの芽だしが数多く見られ、気の早いハルゼミ?にも出会うことが出来ました。

ウリハダカエデ・ハウチワカエデ・イタヤカエデなどのカエデも花を坂し始めております。
これから玉原も花のシーズンに入ってきて楽しみです。
タムシバ
ムシカリ
ムラサキヤシオ
イワナシ
ミズバショウ
ブナ新芽
クロサンショウウオ
サンカヨウ
キクザキイチゲ
エゾハルゼミ

2012年5月24日木曜日

5月21日金環日食


「金環日食」見ましたか?
関東近県では、天気予報に惑わされましたが、
歴史的天体イベントを皆さん多く確認できた様子です。

ここ沼田市は「金環日食」を見ることが出来ます、ぎりぎりの地点でした。
早朝は雲の影響を受け太陽がぼやけます。
カメラの設定はオートフォーカス(自動焦点)ですが、雲が邪魔をしますとシャッターが切れません。そこでマニュアルフォーカス(手動焦点)に切り替えながら、苦戦の撮影でした。
それでもクライマックスの時は雲が無くなり、御機嫌の空模様でした。

昨日、月に詳しい千葉の仲間からメールが届いていました。
〔12.5.5 スーパームーン〕を皆さんに送りましたが、
その半月後に「金環日食」が確認されるわけです。
また、本日がスーパームーンでしたら「皆既日食」になったはずとのこと、
月の位置でリングの大きさも変わったり、太陽も消えてしまうのです。
そして観察地点でもリングが違ってくるのです。


2012年5月15日火曜日

玉原湿原ニュース5月13日


ブナ平~水源ルート~湿原コースを歩きました。
晴天に恵まれ、暖かな散策です。ブナは新緑とはいえませんが、
芽が緩み始め、足下では昨年落としたブナの実が発芽始めています。

鳥達は忙しそうに動き始め、さえずりも上手になってきています。
そして我々の前にゴジュウカラが姿を見せてくれました。

湿原では先週の予測通り、ミズバショウが見頃になっています。
ここ数日の寒さで霜が降り、花達が霜焼けになっていないか心配でしたが、
とてもきれいでした。
そしてショッキングピンクのショウジョウバカマも色を添えていました。

観察会終了後、一人でクロサンショウウオの繁殖池を数カ所巡視です。
そこで個体を確認することは出来ませんでしたが、無数の卵嚢を確認することができました。
そして側にある日だまりでは、イワナシの可愛い花にも会うことが出来ました。

来週は、森がライム色になり、足下には無数のブナの実生に出会えるでしょう。

ブナの発芽
イワナシ
ゴジュウガラ
ショウジョウバカマ
ミズバショウ
クロサンショウウオ産卵

2012年5月9日水曜日

玉原湿原ニュース5月6日


桜前線が玉原まで駆け上がってきます。
玉原までの裾野を彩っているのは、ソメイヨシノからオオヤマザクラに変わっていました。

一二沢のミズバショウは見頃になり、流水に沿って咲く個体は水面に姿を映し、
自分の容姿を誇らしげにしていました。

環境センターの横では、カバノキ科のツノハシバミが咲き出しました。
イモムシの様な雄花ばかり目立つのですが、その上部で芽燐に包まれたまま、
小さなショッキングピンクの髭状に見えるものが雌花です。
受粉することによって秋にはヘーゼルナッツの様な脂肪分を多く含む美味しい実を着けるのです。

湿原の雪はほとんど無くなりました。
そして、ここのミズバショウも例年通り来週には咲きそろうと思います。
湿原の表面に眼をこらしますとワタスゲが花を咲かせています。
入山者の皆さんはワタスゲというと白い綿毛を想像されますが、
この時季に花を咲かせ、そして受粉をして結実するのです。
湿原で風に揺れるワタスゲのためには、この時季が一番大切なのです。

10時頃、思ったよりも早くに雨が降り出しました。しかも雷雨です。
あわてて環境センターに逃げ込みました。
そこで仲間数人と合流、しばらくして雨が上がり、
空が明るくなったため散策に出たのですが、また雷雨に遭遇でした。
この日は茨城方向で竜巻が発生しています。
問題の時刻の頃には玉原でも雹混じりの雷雨でした。

夏鳥のキビタキが姿を見せてくれました。
この時季は縄張りを作り、伴侶を見つける頃なのでしょうか?
オス同士でなにやらもめている様子です。
今回は後ろ姿ではなく鮮やかな色合いの姿を見せてくれました。

帰路はサイクリングロードから駐車場を目指します。
そこの木の根元ではウマノスズクサ科のミクニサイシンが花を咲かせていました。
歩を進めると、何か視線を感じます。
見上げるとヒガラが、じっと私を観察しているようでした。
「大丈夫!私はあなたの世界を邪魔をする様な事はしないから・・」と思いつつ画像を一枚、
この行為こそ邪魔な行為なのかも・・・・?

オオヤマザクラ
ミズバショウ
キビタキ
ツノハシバミ
ワタスゲ
ミクニサイシン
ジュウニサワ
タンバラシツゲン
ヒガラ

2012年5月2日水曜日

玉原湿原ニュース4月30日


4月1日以来、約一月ぶりの入山です。
桜前線は、玉原直下の上発知まで到達しています。
久しぶりの玉原、雪解け状況が気にかかります。

自然環境センターに向かう前に、一二沢ミズバショウ群生地に立ち寄りました。
そこのミズバショウは、包を持ち上げてはいる物のまだ開いている物は少なく、
一週間ほど開花が遅れている様子でした。

銅金沢の水量が雪解けで増え、水音が大きく感じられます。
そんな私の目の前を夏鳥のキビタキが横切りました。
あわてて画像を一枚確保、後ろ姿ですが御理解ください。

雪解けが進んだ道路沿いで、沢山のフキノトウが見られます。
ここのフキノトウはアクが少なく大変美味しいのですが、
本年は気をつけなければいけません。
それは地理的に沢山のセシウム含有が想像されるからで、
これからの入山者に注意を呼びかけるつもりでいます。

イワナシが早めに咲く日だまりでは、たった一輪ですが開花を確認しました。
他の蕾も色づき始めているので、これからが楽しみです。

本日の一番の目的は、雪解けと共に花を咲かせるセリバオウレンとバイカオウレンです。
この花達を求め、雪を踏みしめ、
口を開けた沢のスノーブリッジを恐る恐る越え会いに行くのです。

待っていてくれました。
例年花を探すのに苦戦をするのですが、本年はすぐに素晴らしい形のオウレン達に会えました。その花のマクロレンズの画像も添付します。

湿原方向に向かう途中、道路上に出来た水たまりの中のブナの実が発芽始めてます。
昨年豊作であったために沢山の実生が確認できるでしょう。

沢すじ近くの水たまりでは、クロサンショウウオが産卵を始めました。
平成14年作成された群馬県レッドデータブックによれば準絶滅危惧種に指定されています。
玉原の生態系の中の貴重な種です。大事にしなければ・・・

湿原も大分雪解けが進みましたが、木道が不鮮明なために、
一般の方々は入山禁止となっています。
その側にありますヤドリギは実を全て落とし、来る冬の結実にむけて、花を咲かせていました。

追伸:春ともなると、皆様にお知らせしたい画像が多く、添付枚数も多くなってしまいました。
御理解ください。これでも減らしたのです。

イワナシ
キビタキ
セリバオウレン
しだれ桜(上発地)
バイカオウレン
ミズバショウ(一二沢)
フキノトウ
ブナの発芽
ヤドリギ

産卵始まるクロサンショウウオ