2011年12月30日金曜日

玉原湿原ニュース12月25日


玉原を愛し、保護活動に関わっている仲間から
「2011年、玉原ラストウォーク」のリクエストがあり入山しました。

クリスマス寒波の影響で、時刻別の気象情報はすべて雪マークです。
そのため厳しい寒風にさらされるのを覚悟していましたが、
意外と天候は穏やかで、陽射しが雲間から見え隠れしています。
報道関係の情報とは違い、これからの出会いが楽しみです。

積雪は40cm~50cm程、とりあえず自然環境センターまで行き、作戦会議です。
結果、「藤原越え切り通し方向にとりあえず向かってみよう!」と言うことになり、
スノーシューを進めることにしました。

ブナの木にに残っています殻斗に、雪が高く積もっています。
このことから昨晩は、この付近は風もなく静かに雪が降り積もったことが想像されます。
そして藤原越えパラボラアンテナ付近に着いたときは青空になり、
それは素晴らしい風景が広がっていました。

ここは、朝日岳方向からの寒気が直接ぶつかるところで、
ペンション方向や湿原方向とは違う顔を見せてくれるのです。
ススキやエゾアジサイ・ゴマナの枯れた者達が氷のオブジェとしてよみがえり、
ブナの森が凍り付き、陽に輝いていました。

気象情報が外れ、最高のコンディションです。
輝く森を歩きながら「玉原から最高のご褒美を貰った気分!!」と、
全員ご機嫌のラストウォークでした。

感激のあまり昼食を取るのを忘れ、環境センターで1時間ほど遅れてプチ忘年会の食事でした。

しかし帰路につく頃は天候が一変し、陽射しは隠れ、
気温が下がり細かな雪が降り始めました。
そして梢ではヒガラが体をふくらませ寒さに耐えていました。

 
追伸:「2011年・玉原パトロール報告」にお付き合いいただきましてありがとうございました。
玉原というフィールドを通して、仲間との出会いや植物や獣たち。
後半にはハンターとの問題も提起させていただきました。
玉原の生態系の中でいかに自然に邪魔をせず、良い形でのつきあい方を、また模索してゆきたいと考えています。
皆さん!良いお年をお迎えください。

エゾアジサイ
ゴマナ
ススキ
ヒガラ
ブナ
中心広場

霧氷

2011年12月24日土曜日

上里SAイベント開催!


上里SA下り線で、12/23(金)にてイベント開催致しました。

わが群馬県のマスコット「ぐんまちゃん」がイベントを盛り上げ、
群馬県と沼田市の観光キャンペーンを実施しました。

もちろん、観光PRがメインのイベントで
「たんばらスキーパーク」のクーポン券や当エリアの温泉施設:
しゃくなげの湯望郷の湯の割引券を配布し、地域活性を目的に楽しみました。

たくさんのお客様に触れられ又、貴重なご意見も頂き大変充実した一日になりました。
現場写真を掲載します。




2011年12月22日木曜日

玉原湿原ニュース12月18日


調整池は完全に凍結しています。
雪が降り、新雪は30cm~50cmほど、初めてスノーシューを装着しました。

玉原の自然をガイドしている仲間2人と入山です。
積雪は軽く、歩くのにさほど負担は感じられないように思いますが、
今シーズン初めてのことですので無理をせず、湿原周辺散策としました。

玉原の様々の物達を埋めようと雪が降り続けます。
気温が氷点下のために雪の結晶が溶けることなくそのまま積み重なってゆきます。
そのため結晶と結晶との癒着が無く、サラサラのパウダースノーになってゆくのでしょう。

湿原では高架木道が雪に埋もれ、不鮮明です。
そのためストックで木道の位置を確認しながらの歩行でした。

湿原南東部から人間の奇声が聞こえてきます。
「静かに玉原の自然を楽しめないのか!!」と、ちょっと不機嫌になりながら、
環境センターに近づいたところで轟音が響きました。銃声です。
こんな間近で銃声を聞くなんて、玉原をパトロールするようになって初めてのことでした。

早めの昼食を環境センターで取っていると、
センター前にハンター7人が集結してきましたので、その中に入り話を伺うことにしました。

埼玉からのハンターで玉原周辺の地形にかなり詳しく、大分慣れている様子でした。
リーダーと思われるハンターに尋ねると、狙ったのはイノシシ、かなりの大物で、
残念ながら夜後沢(水上側)方向に逃げられたとのこと、
その他ニホンジカを2頭確認したとの話を聞くことが出来ました。
イノシシとニホンジカは両種とも玉原の自然に悪影響を及ぼす者達なのです。

そしてリーダーらしき人物は
「自然の中で、悪さをする者達(有害獣)を俺たちはやっつけて居るんだ!!」と話していました。

イノシシとニホンジカは確かに有害獣で駆除していただけるのはありがたいのですが、
やはり少し複雑でした。

今シーズン初スノーシューでしたが、大分足腰に負担がかかった様子で、
スキーパーク駐車場への雪の壁がきつかったです!!

オニルツルウメモドキ
コマユミ
タムラソウ
ヒロハツリバナ


調整池

2011年12月15日木曜日

玉原湿原ニュース12月10日


車のタイヤを新品のスタッドレスに履き替え入山です。

下界は晴天でしたが、玉原は冬型の気圧配置模様で風が強く寒い!
そのためカイロを入れ、耳カバーを付けてのスタートでした。
積雪は平均して10cm程でしょうか、
そのため用意をしていきましたスノーシューは置いていきました。

環境センターは既に雪囲いが済まされています。
ここから湿原方向に向かいたいところですが、高架木道が滑りやすいので湿原はあきらめ、
ダム管理道路を進み藤原越え切り通し方向からブナ平を目指すことにしました。

調整池は全面結氷まで後わずかです。
しばらく進むと雪上に今まで見たことのないおかしなフィールドサインが出来ています。
30cm程の巾でラインが引かれています。
よく見ると中央にテンの足跡が残されています。
これはテンが何かを口にくわえて引きずったものと考えられます。
こんな想像が出来るのは雪シーズンでなければ出来ないことです。

藤原越え付近でリスの足跡を確認。その後長沢を越えブナ平に下りました。

ブナ平には胸高幹周りが4mを超え、推定樹齢400年を超える元気な巨大ブナがあります。
そのブナに触れてお願いをしてきました。
病を抱えている仲間と、諸事情で元気を無くしている仲間に「どうかパワーを!」と、
そして少しだけ私にも分けてくださいと・・・・・・

遊歩道では何者かによって雪が攪乱されています。
餌を探したのでしょう。側には偶蹄目の足跡が残されています。イノシシでしょうか?
それともニホンジカ・ニホンカモシカか?
側には自然史博物館のカメラトラップがあります。確認が楽しみです。

ブナ平を下るときに尼ケ禿山方向から大きな銃声が聞こえてきました。
鳥獣害対策が話し合われ、鳥獣保護区の縮小を要望する方々が居るようです。
しかし玉原につきましては保護区とは言いませんが、銃禁止指定がされるよう望みたいです。
これから厳冬期に入ってもスノーシューで入山する方々が多くなると予測され、
非常に危険なのですから・・

テン・フィールドサイン
リス足跡
巨大ブナ

自然観察センター
調整池

2011年11月17日木曜日

玉原湿原ニュース11月6日


ここ数日の週末は天候に恵まれていませんが、
思いがけず時間が取れたので悪天候の中、仲間を誘っての入山でした。

紅葉前線は、あっという間のスピードで下っていました。
玉原高原への途中にある強清水(こわしみず)も良い趣になっていました。

湿原ではトンボたちの姿もなく、周辺にあるナナカマドやズミ、
そして遊歩道沿いのアクシバの実は滴を溜、来る雪をじっと待っているような気がしました。

ブナ平ルートを左回りでの巡視でした。
遊歩道沿いでは晩秋の食用キノコのクリタケやキナメツムタケを確認。
そして本年画像を撮ることが出来ず、残念に思っていました。
ウスキブナノミタケの新鮮な個体にも会えました。
このキノコの傘は5mmにも満たない小さなキノコですが、
ブナの森でしか生えていないキノコなのです。
それは名前にもあるようにブナの実から出ているキノコなのです。
11月になっても出会えて幸運でした。

ブナ平下山時に事件に遭遇しました。
ここにはホウノキとブナでニホンミツバチが営巣をしています。
それを狙ってツキノワグマがアタックを繰り返していたのです。
そのためにその現場を押さえようと、自然史博物館によってカメラトラップが仕掛けられています。しかしアタックをしたのは熊ではなく、キイロスズメバチでした。

ホウノキの巣はかなりダメージが大きい模様で、出入りする蜂の姿は少なく、
入り口には蜂の死骸が重なり、まだ動いている個体もありました。
またブナに作られた巣は沢山のニホンミツバチが飛び交っていました。
この時季には花もなく蜜を集められないはず、
このことで蜂たちがあわて右往左往している状況だと推測しました。
ここでは2頭のキイロスズメバチが活動し、捕まえては食べていました。

過去にスズメバチの襲来を察知した巣では、
蜂たちが数十匹で入り口を固めスズメバチに向かって
威嚇行動を取っているのを確認していましたが、本日はほとんど確認できませんでした。
多分その役割を持つ蜂たちが殺され、巣穴入り口に積み重なっているのかも知れません。

玉原のブナの森での生態系の一部分です。我々はただ見守るだけでした。

環境センターで昼食後、サイクリングロード経由で帰路につきました。
そこでは冬鳥として玉原にやって来ましたアトリの群れに出会い、
画像を撮ることが出来ました。
ここではダム工事時の土捨て場に植えたケヤマハンノキの種子を狙って群れるのです。

名残の紅葉のコミネカエデがきれいです。そしてアキグミも熟しています。
口に含むと渋みが広がりますが、酸味も薄れ美味しい甘みを感じることができました。

ナナカマド
クリタケ
アキグミ

2011年11月8日火曜日

玉原湿原ニュース10月30日


10月1日以来のレポートです。けっしてパトロールをサボっていたわけでなく、
カメラの修理やレンズ交換等あり、その間小型のカメラで対応していたのですが、
画像が気に入らず報告を送りませんでした。
そのため、玉原のクライマックスの画像を送れなかったことをお許しください。

例年より少し早めに来た紅葉前線も過ぎ、いまや名残の紅葉と言うところでしょう。
本年はミズナラを除けば実が豊作で、遊歩道で確認できるテン達の糞は、
サルナシの実で満たされていました。
しかしブナの実も大豊作なのにツキノワグマの気配が無く、
ブナに作られるクマ棚もあまり確認できません。どうしたのでしょう?
熊の絶対数が激減したのでしょうか?

センターハウス横にあるミズナラにクマ棚が確認できます。
本年はドングリの実が小さく数も少ないはずです。
それとブナの実が絶対に美味いはずなのに、なぜミズナラに登ったのでしょうか?
幹にはしっかりと新しい爪痕が残されていました。

ドングリはデンプン質と水分それにタンニンが含まれます。
そしてブナはデンプン質と脂肪で出来ています。
ブナが絶対に美味いはずなのに、変わり者もいるのですね!

天候は曇り空から小雨模様、気温も上がらずフリースを着込んだまま脱げませんでした。
ツリバナの実達もまだ残されていますが、色合いに精彩がありません。
それでもコマユミのオレンジ色はまだまだきれいでした。
そしてヤブ陰ではツルリンドウの赤紫色の実が鮮やかでした。

調整池で定点画像を撮っていると、水面に大きな魚体が動いているのが確認できます。
それは40cmを越える大きなイワナで、産卵に来たのでしょうか?
カップルでゆったりと泳いでいました。

藤原越えの分岐から水上側へ。
しばらく下ると、そこではリョウメンシダが覆い茂り、
玉原からの水が湧き出て沢を構成始めています。
その一角でぬた場を確認しました。
獣が体に着いたダニなどの寄生虫を落とすために泥を浴びる場所で、
周辺にはニホンカモシカと思われる足跡が残されていました。

次回の入山は11月半ば過ぎになる予定です。ブナ林は冬木立になっているでしょう。
そして雪もちらついてくるかも知れませんね。

イワナ
カモシカ足跡
クマ棚
コマユミ
ツルリンドウ
ぬた湯

ミズナラ・爪痕
玉原湿原

2011年10月26日水曜日

玉原湿原ニュース10月16日


前日からの雨で心配されましたが、
恒例の利根沼田自然を愛する会秋の研修会(キノコ汁)が行われました。

朝、玉原森林キャンプ場に着くと、周辺の紅葉がそれはきれいでした。
木々が雨に濡れているために、朝日の光で輝きを増しているのでしょう、素晴らしかったです。

20名の参加があり、自然観察斑と調理斑に分かれ早速行動でした。
私は調理斑に残ったのですが、ほとんど何もせず周辺の散策でしたが、
○●理主任と○●事務局・○●夫人の3名によって、
キノコ入り雑炊・キノコすいとん・キノコうどんの3品を作っていただきました。

素晴らしいキノコの出汁が出てそれは美味しい昼食会となりました。
ちなみに鍋に入りましたキノコは、
ナラタケ・ヒメシロタモギダケ・タマゴタケ・スギタケモドキ・ムキタケ・ウスヒラタケの6種でした。

天候にも恵まれ、素晴らしい紅葉のロケーションの中での食事会は最高でした。
また来年もこの企画が続きますよう期待をしましょう。

今回は東急リゾートの荒木総支配人も参加をしていただきました。
玉原の素晴らしい自然を理解していただき、自然保護にもご協力願えたらと思います。
ありがとうございました。

追伸:タイ・アユタヤの洪水被害が連日TVで報道されていますが、
私の幼なじみが釣り具の〔ダイワ〕のバンコク支社長をしています。
まだその工業団地には水は来ていないらしいのですが、土嚢作りの画像が送られてきました。
洪水の影響で、社員は100名程欠勤状態で、大変な模様です。
私の活動の理解者で、長靴やら雨具など提供していただいています。
無事やり過ごせることを祈っています。



2011年10月11日火曜日

玉原湿原ニュース10月8日


明日は月例観察会ですが、駆け足でキノコの様子が知りたくて玉原を回りました。

ツリバナ達がきれいです。あすの観察会では解説の必須項目です。
キノコはまだ駄目でした。
でも、遅れていましたナラタケの幼菌を確認できましたので、
16日の秋の研修会は期待できそうです。

午後に女房殿の予定が入っていましたので、駆け足での散策でした。
●●さんとホタカサンルートに新設されたカメラトラップ現場の一つに、
ツヤクロスズメの巣を狙ったところがありますが、
仲間から「巣が無かったかも知れない!」との情報を貰っていましたので確認に向かいました。

ホタカサンルートには銘木百選の「トチノキ」がありますが、
その標識にクマの毛が残されます。
前回訪ねたときの毛は、●●さんがサンプルとして採集をしたはずですが、
本日、また沢山の毛を確認しました。
新しい噛み痕が確認できませんので、クマが立ち上がり、
体をこすり付けて行くのでしょうか?
もしかしたら、かゆくて体をこすっているかも知れませんね。

ツヤクロスズメのポイントでは、やはり巣が存在しませんでした。
クマの爪痕が残されていますが、あまり新しさを感じません。
過去に何度もアタックを繰り返し、本年やっと本懐を遂げたのかも知れません。

とにかく、カメラトラップに写っていることを期待したいです。

2011年10月7日金曜日

玉原湿原ニュース10月1日


気圧配置が弱い冬型のようです。
風が強く木々が大きく揺れ、半袖Tシャツと作業着では肌寒く感じます。
それもそのはず、環境センターの温度計は12度でした。

前橋からの仲間と、環境センターの清掃を済ませて、湿原から尼ケ禿を目指しました。


遊歩道沿いでは、まだ紅葉しない緑の葉陰に揺れるニシキギ科の赤い実が映えています。
エゾツリバナやオオツリバナ・ヒロハツリバナそしてコマユミ等、
例年に比べて本年は多く感じられきれいなのですが、
東京からやって来た入山者からは「紅葉前の中途半端な時季ですか?」と問いかけられ、
「今少し細かなところを見てくれれば、沢山感激できるのに・・・」と思ってしまいました。

タムシバ(花・5.28報告125参照)の実も数多く目立ちます。
そして足下では日本固有種のオオバユキザサの実が輝きます。
この実は透明感があり宝石のようでした。

この時季に赤い実を付ける者達には捕食者に向けて、それぞれの戦略を持っているのです。
まずは「緑色の葉と赤い実」、色合いが反対色の為に否が応でも目立ちます。
次ぎに「風に揺れる」事で好奇心をあおるのです。
このことで鳥達に食べられ、種子を遠くに運んで貰うのですが、植物には脳が存在しません。
考えての行動では無いのですが、進化って素晴らしい!!

湿原では鳴き声が美しいコウロギ科のカンタンが、トリカブトの花を食べています。
トリカブトは人間にとって全草毒なのにへっちゃらの昆虫がいるのですね!
もしかしたらトリカブトを食べることによって、その毒を体内に取り込み、
天敵から身を守る手段としているのかも知れません。

木道上で獣の糞を確認。内容物はマタタビ科サルナシで満たされていて、
本年は沢山見つけることが出来ます。
木登りができる獣としてテンが想像され、その糞とおもわれますが、
どうやらサルナシも大豊作のようです。

林内でヒダリマキマイマイを見つけました。
殻の色が濃いのでチャイロヒダリマキマイマイのようですが、2個体います。
交尾でもしたのでしょうか、秋に交尾をし産まれた卵は翌春に孵化をするとあります。
しかし寒い!ゆっくりしていないでいそいで冬眠をしないと凍えるぞ!!

10時には山頂に着き、正午には環境センターでした。
寒いはずです、気温は13℃朝から一度しか気温が上昇していませんでした。

2011年9月28日水曜日

玉原湿原ニュース9月23日


ブナ平に訪れる入山者が多くなり、遊歩道が踏みつけられて固まり、
水はけが悪くなりました。
そしてぬかるみが生まれ、そこを避けるために遊歩道の巾が広がり、
それを解消するために3年前に木道敷設が計画され、市民協働で実行されました。

協力していただいた方々は、
沼田市観光交流課・尾瀬校理科部そして利根沼田自然を愛する会の総勢20名です。
このメンバーによって木道材20枚その枕木材20本を設置現場まで人力で運びます。

3年目ともなりますと設置作業は手慣れた物です。
この計画を開始した頃は木材を運びながら周辺の景色を見る余裕などとてもありませんでしたが、
本日は足下で顔を覗かせていた可愛いタマゴタケを見つけ、
画像に納めたり楽しみながらの作業が出来ました。

しかし、板と枕木を固定するために釘を打たなければならないのですが、苦戦の連続です。
慣れない釘打ち作業で釘がまっすぐに入ってくれないのです。
その見事(?)な痕跡が木道に残されました。(もちろん打ち直しました。)

本日の作業で20mの木道が新設され、
3年間におよんだブナ平周遊コースの木道敷設が完了でした。
協力をしていただきました皆さん本当にご苦労さまでした。

作業は午前中で終了。昼食後は自由散策でした。
環境センターに戻る途中で小さな蝶がナギナタコウジュやナンブアザミで吸蜜しています。
良く確認するとその蝶はウラナミシジミで、私はずいぶん久しぶりに遭う蝶でした。

この蝶は房総付近を土着地としていて、
マメ科の植物を食べながら何度も発生を繰り返し北部へ移動してくるのです。
豆畑の減少や農薬散布によって激減し、現在、群馬県評価・準絶滅危惧種に指定されています。

ここでは越冬出来ませんので、このまま死滅してゆくのですが、
木道作業のご褒美を貰った気分でした。

2011年9月22日木曜日

玉原湿原ニュース9月18日


ツキノワグマの行動が気になり、入山です。

まずは、アキノギンリョウソウにご機嫌伺いです。
本年は特に成長が遅いのですが、それでも色合いが良くなってきました。
鱗片が黒く汚れてしまいましたが、ゼブラ模様のようでこれもまた良いかな?

環境センターに向かう道筋で黄色いヤクシソウが確認できます。
「薬師草」と書きますが、ほとんど薬効が無いらしく、
噛むと苦いので薬になると勘違いをしたようです。
この命名にはイエローカードを出したいですね!
でも、葉の形が薬師如来の光背に似ているからとの説もあり、これを支持したいと思います。

見上げると、ヒロハツリバナの赤い実が風に揺れています。
実の形がまるでUFOを思わせ、私は好きです。
ツリバナの仲間は、これからの紅葉シーズンに彩りを添える必須アイテムとなります。

湿原はヌマガヤの穂が風に揺れています。
これから秋色が進み草紅葉になってゆきます。
木道上ではヒメアカネが日向ぼっこ?をしています。
いや、そうではなく羽を休めているのですね!
例年ならば寒さが増し、日向ぼっこをしているのですが、本日は暑いのです。
登りでは汗だくになりそうです。

ツキノワグマがブナに登ったのではないかと、
それを確認したくて午前中はブナ平、午後はホタカサンルート方向の巡視でした。

大きなかごを背負ったキノコ狩りの方々を多く見かけます。
本年は気温が下がらず、まだキノコシーズンには早いと思っていましたが、
意外と多くの種を見つけることが出来ましたので、3種ほど紹介します。

まず、サンゴハリタケ、このキノコはブナ帯のキノコで、
白くサンゴ状に分岐したくきから沢山の針を垂れ下げます。
普通想像されるキノコとは形が違う、きれいなキノコですが、
それほど多く見かけることはありません。

次はヒメスッポンタケです。
キノコの傘になる部分にグレバと呼ぶ粘液を持っているキノコで、悪臭を放ちます。
この臭いに引き寄せられたハエやアブが粘液にふれ、胞子を運んでくれるのですが、
こんなキノコでも食する人たちがいるのです。

秋のキノコの定番と言えばナラタケでしょう。
良い出しが出て、収穫量も多く期待の出来る種ですが、
本年は早めに顔を出したのでしょうか?黒く傷んだ物を沢山見かけました。
新しいクマ棚は確認できませんでした。
しかし、あれほど台風で落とされましたブナの実を、遊歩道で見ることがありませんでした。
拾い食いをしたのでしょうか?それとも他の獣が運んだのかも知れません。
不思議なのは昨年と比べてクマの気配が無いのです。どうしたのでしょう?

巡視後、ペンションのテラスでコーヒーをいただいていると、
庭をルリボシヤンマが巡回をしています。
そばに小さな人工的な水たまりがある様子で、そこで生活をしているようです。
このトンボは氷河期に日本に侵入してきたもので高地の湿原を好みます。
玉原湿原でも良く確認できるのですが、ペンションの庭で見られるなんて!素晴らしい!!


追伸:23日にブナ平に木道を敷設します。
これは沼田市との市民協働で行うのですが、急な坂を人力で担ぎ上げなくてはなりません。
しかし本日確認しますと、ブナ平まで、既に担ぎ上げてありましたーー(笑顔)。
沼田市観光交流課の皆さん、本当にご苦労さまでした。

木道敷設にご協力願える方々募集しています。良い汗をかきませんか?
9:00野鳥の看板前に集合でーーす。

2011年9月21日水曜日

台風接近中です


お久しぶりの更新になってしまいまして、すみません!

今日にかけて大型の台風15号が接近しています。
皆様お住まいの地域は大丈夫ですか??
避難を強いられている方々は不安な日々をお過ごしかと思います。

たんばらでも今ちょうど雨風が強くなってまいりました。
スキー場の準備も進行中ですが、外作業についてはちょっと休止。
中の準備等は着々と進んでおります!

広報部隊はホームページやパンフレット、広告などの準備に奮闘中です!
お得な情報の準備も着々と進めておりますので、お楽しみに♪

日々、リフトの準備も進行。
但し、今日はお休み。
風は写真に撮れませんでしたが、強いです・・・。

売店では絨毯のクリーニングをしています!きれいになりますよ♪

2011年9月7日水曜日

玉原湿原ニュース8月27日


湿原はタムラソウが見頃となり、ウメバチソウも確認できます。
そしてわずかですが、
トリカブトの仲間で白馬原産で玉原が東限と思われるハクバブシも咲き出しています。

ただ気になることが一つ。この時季にはコオニユリが実(種)を着けているはずですが、
ほとんど見られません。何者かに食べられた形跡があります。
この犯人は多分ニホンジカと思われますが、今後の食害が心配されます。

湿原の上空を、高地湿原種のルリボシヤンマと里でもなじみ深いオニヤンマが
飛び交い縄張り争いをしています。
そして小さな水たまりでルリボシヤンマの♀が産卵をしています。
トンボの産卵というと、水面を尻ではたく「打水産卵」を思い浮かべますが、
このトンボは組織にしっかりと生み付ける堅実派なのです。

木道を歩いていると小さなトンボが弱々しく飛び立ちました。
それはヒメアカネで、アカネ属で一番小さなトンボです。
まだ羽化して間もなく、雄か雌か解りませんが、これからシーズン遅く、
霜が降りる頃まで活動を続けてくれます。

遊歩道ではマルバフユイチゴの実が熟しています。酸味の強い味ですが、
健康になりそうな味でした。

ブナの立ち枯れの幹からスギタケモドキが沢山発生しています。
キノコというと「食・毒」が気になるところですが、
このキノコは図鑑によっていろいろで、信号にたとえると、
「赤・黄・青」と評価が異なっています。
スギタケの仲間で毒キノコはツチスギタケのみと記憶していますが・・・・・・気を付けましょう。

ブナの幹でアカアシクワガタを見つけました。
最初は自由に歩かせ画像を撮っていたのですが、どうも決まりません。
そこで摘んで撮影ポジションに移動、
怒ったクワガタは角を振り上げピクチャーポーズを取ってくれました。(ゴメンね!)

ヒノキの林床でアケボノシュスランが咲き始めました。
林内は薄暗いために花の色が白く、曙色をしていません。
何とか見つけて画像を確保したのですが、フォーカスの精度がいまいちです。
来週撮り直しをしましょう。

一二沢ミズバショウ群生地に立ち寄ると葉が踏みつぶされています。
どうやらツキノワグマが実を求めて攪乱した様子です。
昨年の今頃はウワミズザクラの実を求めて木登りをしていたのですが、
本年は凶作で実がありません。そのためミズバショウで空腹を満たしたのだと思われます。

あと二〇日程でブナの実が熟します。ガンバレ!!

2011年8月22日月曜日

玉原湿原ニュース8月21日


シオガマギクが咲き始めました。
菊という名が付いていますが、きく科ではなく、ごまのはぐさ科なのです。
我々はガイドをするときにその名の由来の説明から導入するのですが、
ちょっとやっかいな植物です。

シオガマはどこから来たのか?
「葉まで(浜で)きれいなので塩釜」・「綺麗な浜は塩釜である!」だから「シオガマである!。」
ダジャレで名前を付けたのでしょうか?
名付け親は学者さんだと思いますが、こんなイージーな名付けで良かったのですね!
観察会でちょっとだけ笑いが取れるかも知れません。

本日は尼ケ禿山のコイチヨウランを確認したくて入山でした。
天候は「湿度がちょっと高いかな?」と思わせる程度、
そのため傘も持たずに、ダム湖西側から歩き出しでした。

遊歩道入り口の標識はツキノワグマの噛み痕が残されています。
「ここから先は俺(クマ)が居るから気をつけろよ!」と警告を発しているようです。
遊歩道では、転がっていた倒木がツキノワグマによって割られています。
中に潜んでいた甲虫の幼虫を探して食べたのでしょう。
倒木が土に戻るのを促進させる生物にキノコ類が想像されますが、
ツキノワグマの餌探しも朽ち木を粉砕するため、土に返す強力な力となっているようです。

尼ケ禿山頂近くにあるコイチヨウランのポイントに着いた頃は、雨が強くなって来ました。
傘を持たないためにカメラは出せず、やむなく下山でした。

下山途中、オクモミジハグマを確認。
この名の由来もまた難解です。「奥紅葉白熊」 と書くのですが、
葉が紅葉に似ていること。ハグマとはチベットの高地に棲むヤクの毛で作られた、
宗教的な飾りに似ているためとされています。
そして日本列島の奥(北部)にあるからだそうです。
この名付けは、まじめに考えた様子がうかがえました。
セミナーハウスへの分岐付近でコイチヨウランを再度確認。
雨も小降りでしたので、カメラを濡らしながら何とか画像を確保できました。
その後、水源ルートからブナ平へ、雨具を装着していても、前身ずぶ濡れです。
そしてカメラも。急いで帰宅しカメラの手入れでした。

オクモミジハグマ
スオガマギク
ツキノワグマ・フィールドサイン

ブナ平

2011年8月12日金曜日

玉原湿原ニュース8月7日


玉原湿原8/7現在の開花状況です。

エビガライチゴ
オゼヌマアザミ
コイチョウラン
コウニユリ
ジャコウソウ
タマゴタケ

テングノコヅチ
ホツツジ