2012年6月27日水曜日

玉原湿原にヒオウギアヤメが咲き始めました

2週間ぶりに、玉原湿原に行ってきました。台風も通り過ぎて、澄んだ空気の中気温も20度前後で、とても気持ちよかったです。湿原入り口の小川では、10cm程度のイワナが出迎えてくれました。ウラジロヨウラク薄ピンクの花や、ヒオウギアヤメが咲き始めており、これから一面紫色の花が楽しめそうです。天候も良く、ワタスゲの種子も気持ちよさそうに揺れておりました。地表面に目をやると、ツマトリソウやモウセンゴケなどの小さな植物も確認できました。湿原に行かれたときには、足元の小さな植物も楽しんでください。

本日は、日曜日でトレッキングを楽しむ人も大勢こられており、ブナ平周辺はではギンリョウソウや、コケイラン等がところどころで目に付き楽しませてくれます。台風が過ぎて、梅雨も今年は
早く明けるかもしてません。暑い都会から、涼しいブナの林を楽しみに来てはいかがでしょうか。

ウラジロヨウラク
ヒオウギアヤメ
オゼタイゲキ・ヒオウギアヤメ
ワタスゲ
モウセンゴケ
ギンリョウソウ
コケイラン

2012年6月20日水曜日

ブナの植樹ありがとうございました。


 6月は「環境月間」です。この時期に沼田市民への啓発活動として、市民へも呼びかけ、玉原中心広場東側斜面にブナが移植されました。

 この場所は、ダム工事の時に余った土砂が捨てられた所で、ブナの母樹が無く、ブナの自然再生が不可能な所なのです。その場所にブナ林を復活させようと、利根沼田自然を愛する会が10年以上前から移植作業に取り組んでいましたが、3年前から沼田市の協力を経ての市民参加が実現しました。

 参加しました皆さんの心がけが良かったのか、昨日からの雨は上がり、陽射しが出てきました。簡単な説明後、すぐに作業です。ツルハシを振る者、スコップで穴を掘る者、鎌で草を刈る人達、皆さんの努力のおかげで、100本ほどのブナの幼木移植は1時間ほどで終了でした。

 お父さんとお母さんとで参加をしてくれた小さなお子さんは、終始笑顔で、Tシャツを泥だらけにしながら頑張ってくれました。大人になって、また玉原に来たとき、自分の背丈よりも大きくなったブナを見つけられたら良いですね!!

 昼食後は観察会でした。湿原はワタスゲ綿毛が風に揺れ、足下では1センチメートル程の小さなコツマトリソウ(サクラソウ科)がひっそりと咲いています。そして湿原の縁ではツツジの仲間のウラジロヨラクが色づいてきていました。

 林床では、梅雨の定番のギンリョウソウがポツポツと頭を持ち上げています。ガラス細工を思わせるこの花は、訪れた皆さん感嘆の声を上げることでしょう。

 人目を避けて、沢すじに踏み込みました。そこでは花が垂れて咲くことから、神社仏閣の屋根の四隅に取り付けられた「宝鐸」になぞらえられたホウチャクソウが咲き、シソ科でいちばん大きな花を付けるラショモンカヅラも確認できました。

 そして、いま少し奥へ足を伸ばすと、そこでは群馬県評価:絶滅危惧ⅠB類のクリンソウの大きな株とコケイランを確認することが出来ました。
ブナの植樹準備
家族で植樹
コツマトリソウ
ウラジロヨウラク
 ギンリョウソウ
 ホウチャクソウ
 ラショウモンカズラ
 クリンソウ
コケイラン

2012年6月19日火曜日

6月16日玉原周辺は産卵期


玉原へ登る途中にある強清水(こわしみず)がきれいです。緑のトンネルの中を沢山の小さな滝がしぶきを上げます。  

 本日は雨、ブナの幹を雨水が流れ落ちます。そして吸い込まれるように腐葉土にしみこんでゆきます。ブナの森は「緑のダム」と呼ばれますが、ブナだけでなく、そこに暮らすネズミやヒミズモグラの巣穴にも水が溜め込まれ、長い時間の後、わき水として出てくるのです。その間にホコリや汚れが取り除かれ、ピュアな水に生まれ変わるのです。

ラベンダーパークにあるモリアオガエルの繁殖池では「この時期を逃すな!」とばかりにカエル達が沢山集まり、産卵活動に忙しそうでした。

 湿原は淡い霧に包まれています。そのためワタスゲの実もしぼんでいます。そのかわり、オゼタイゲキの花が咲き出し、緑の湿原に黄色いアクセントになっています。そして来週はその色の中にヒオオギアヤメの紫色が加わる事になるでしょう。

 湿原の縁でイバラ科のズミが雨に濡れきれいです。この花は咲き始めが、ピンクの色が残りいちばんきれいです。ツル植物のトリガタハンショウヅルも確認できますが、梅雨時の花達は雨の滴が着くことによって趣が増して行きます。

 雨が降っていてもゴジュウカラが忙しそうにしています。もしかしたら、今年の雛たちの巣立ちが近いのでしょうか?
 明日は、沼田市環境啓発事業としての「ブナの移植」が行われます。そのため本日はその移植苗をキャンプ場付近で集めました。雨の降る中100本ほどの苗を確保です。明日、天候が回復するのを期待をしましょう。
強清水

(ブナ)樹幹流

モリアオガエルの産卵

オゼタイゲキ

ズミ

トリガタハンショウズル

ゴジュウガラ

移植用のブナ苗採集



2012年6月12日火曜日

6月10日玉原情報

昨晩の雨の名残で、ウワミズザクラの花穂に沢山の水滴が付いています。そして足下では小さなチゴユリもしっとりと濡れていました。

 ウグイス・キビタキ・アカハラの鳥達の朝のさえずりがきれいに響きます。しかし陽射しが出ると、とたんにエゾハルゼミの大合唱で、さえずりはかき消されてしまいます。本日は天候に比例して、曇れば鳥そして晴れたらセミとの鳴き声が繰り返されるのでしょう。

 歩を進める林縁で、ルイヨウショウマの花が確認され、林内ではツバメオモトも咲いています。そして隠れた湿地帯では群馬県評価:絶滅危惧ⅠB類に指定されたクリンソウも咲き始めました。

 クリンソウはサクラソウの仲間でいちばん大型で、種が五重塔の先端に付く九輪に似ているところから名前が付けられたのですが、見事な株になるために園芸採取の対象にされ激減してしまったのです。ここでも過去には大きな群落があったのですが、現在はポツ・ポツと咲く程度となってしまっています。私は復活させようと移植をした経験がありますが、1週間後すべて盗掘で無くなってしまった苦い経験があります。

 道路沿いでノビネチドリが咲いています。葉を雨に濡らし、わずかな陽射しを浴びきれいです。しかしこの花も野生ラン・ブームで盗掘対象となっていて、我々が見つける、その後に無くなるを繰り返しているのです。そのため数枚の画像を戴いた後「ごめんね!ごめんね!」と言いながら花を折り取ってしまいました。このことによって目立たなくなるため盗掘から免れるのです。

 本日目的の植物も群馬県評価:絶滅危惧ⅠB類に指定されています。もともと局地的な植物なのに、野生ラン・ブームによる採取で激減してしまいました。玉原でもたった一箇所の確認であるために、我々関係者のみが知る場所となっています。

 イチヨウラン咲いていました。5月の末に仲間から開花情報が寄せられていたのですが、気になりながら予定が立たず、やっと会えました。画像で見る限りでは非常に派手な花なのに、現場ではほとんど目立たず、探すのに苦戦をする花なのです。今年は数株まとまった花を見つけラッキーでした。

 月例観察会は予定通り行われました。時折霧雨が降り、しかし陽がさすと今度はエゾハルゼミの鳴き声のシャワーです。湿原ではワタスゲの実が熟し始め、綿毛が揺れ始めていました。



 ルイヨウショウマ

ウワミズザクラ

チゴユリ

ツバメオモト

エビネチドリ

クリンソウ

イチョウラン

2012年6月11日月曜日

6月8日玉原周辺

6月8日に鹿俣山まで登ってきました。当日は天候もよくエゾハルセミがやかましいぐらいに鳴いている中で、気温も20度前後でブナ林の中は木陰が気持ち良いトレッキングといった感じでした。登山道の脇にはムシカリ・ムラサキヤシオなどが咲いており、トチなどが花をつけ始めておりました。
ブナ平のほうまで来ると、ラショウモンカズラ・ヒロハテンナンショウ等も咲き始めており、沢筋ではイワナなどが泳いでいる姿なども見ることが出来ました。湿原も緑色が濃くなってきており、ハクサンタイゲキ・ワタスゲなどが目立っております。林縁部には、ミツバアケビ・ヒロハツリバナなどが花をつけており、秋の紅葉や試食などが楽しみ。

エゾハルセミ
ムシカリ

鹿俣山頂付近から見た玉原湖
ヒロハテンナンショウ
ラショウモンガズラ
ユキザサ
ワタスゲ
ハクサンタイゲキ
ミツバアケビ
ヒロハツリバナ






2012年6月1日金曜日

玉原の石楠花が見頃を迎えました


玉原のスキー場周辺のブナも新緑を向かえ、
ムシカリの白い花も咲き始めた。
昨年は、シャクナゲの花を見損ねたので今年こそはと思い、
業務の合間に見に行ってきたら、
鹿俣山登山道の石楠花がちょうど見頃になっておりました。
周辺にはムシカリやコヨウラクツツジ等が咲いておりましたので、お楽しみください。
今週末頃は、ちょうど綺麗な時期になっていると思われます。