2012年9月6日木曜日

2週間ぶりのたんばらは?

 湿原はタムラソウが盛りです。一見アザミに見えますが、葉には刺がありませんので、触っても痛くありません。この花をセスジツユムシが大好きなのです。食べられることによって、花はみすぼらしくなってしまうのですが、多くのセスジツユムシを見ることが出来ました。
 足下ではウメバチソウが見られます。歴史に名高い「前田家」と我が家の家紋がウメバチです。しかも我が家は縁なしのウメバチですので、正にそのままが我が家の家紋なのです。この花は湿原が草紅葉になる頃まで咲いてくれるのです。
 湿原を巡回中に異変を感じました。ミズバショウの葉が無いのです。ミズバショウが生育していた箇所が抜けていて、空間が出来ているのです。泥炭から出ている部分が食べられて全てありません。これはホンシュウジカによるものと考えられます。7月頃から鹿による食痕が目立っていたのですが、ここまで食害が進むと思っていませんでした。これから対策を考えないと観光的にもダメージが大きくなるかも知れません。
 遊歩道の縁では日本固有種のマルバフユイチゴ実が赤く熟しきれいです。緑の葉に赤い実、色合いが反対色なので目立ちます。獣たちに「食べて!」っと主張し、食された後、排泄される事によって種が移動できるのです。(ナイス!戦略!!)
 ブナ平では、ブナの古木が途中でえぐられています。側によって確認するとツキノワグマの爪痕が残されています。どうやらその中に潜んでいた、甲虫の幼虫をあさった様子です。例年ならば、この時季はウワミズザクラの実を食しているはずですが、本年は凶作です。熊達も餌探しに必死なのでしょう。
 群馬県評価:絶滅危惧第類のニホンミツバチの巣穴でも、異変が起きていました。そこに天敵であるキイロスズメバチが2匹来ていたのです。巣穴入り口には多くのニホンミツバチが集結し、威嚇行動をし攻撃に備えていました。ここは昨年の初冬にやはりキイロスズメバチによって全滅させられているのです。ニホンミツバチのために、我々がスズメバチを叩き落とせば問題は無いのですが、それは生態系に反すること、じっと見つめるだけでした。
 玉原がざわついています。環境センターに戻る途中でヤブ陰に隠れていたクサボタンを見つけ、また帰路には群馬県評価:絶滅危惧種B類のミヤマウズラに出会え、我々は少し癒されましたが、来る冬に向かって獣たちは必死なのかも知れません。


タムラソウに群るセスジツユムシ
ウメバチソウ
ニホンシカの食害にあったミズバショウ
マルバフユイチゴ
ツキノワグマのフィールドサイン
ニホンミツバチ
キイロスズメバチ
ヤマトリカブト
クサボタン
ミヤマウズラ

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