2012年7月2日月曜日

生と死・繰り返される生態系

天候は曇り空、気温が少し低いのでしょうか?エゾハルゼミが鳴きません。そのおかげで、ウグイス・キビタキ・コルリ・アカハラ達のきれいな鳴き声が響きます。本日は湿原~水源ルート~ブナ平をゆっくりと回ります。

 この時季田植えが終わり、若い苗が風に揺れる頃出現するトンボに、サナエトンボ(早苗蜻蛉)があります。その仲間のヒメクロサナエが、羽化間もないのでしょうか?葉の上で羽を休めています。このトンボはきれいな水の指標昆虫にもなっています。

 湿原はヒオウギアヤメが盛りです。ワタスゲの白とオゼタイゲキの黄色とできれいなアクセントになっています。そしてわずかですがトキソウ(群馬県評価:絶滅危惧類)も咲き出し、高層湿原の指標となっていますツルコケモモもきれいでした。1cm程の小さな花ですが、ツツジの仲間で樹木なのです。

 マルバモウセンゴケもしっかりと葉を広げ粘液を光らせています。よく見ると小さな昆虫たちを捕まえている葉が確認できます。いまは水生昆虫の羽化の時季です。ガガンボが羽化をしようと、登った植物が運悪くモウセンゴケだったのでしょう、飛び立つ前に脱け殻と共に吸収されてしまった様子です。

 水源ルートからブナ平へ登る途中でショウキランに会えました。きれいなピンクの蘭ですが、葉緑素を持たず、共生している菌類から養分を貰って生活をしています。この植物は神出鬼没で、こちらの思い通りに会えない植物です。ですから見つけたときは玉原からご褒美を貰った気分になるのです。(ラッキー!!)

 ブナ平の林床ではタニギキョウ(キキョウ科)とサワハコベ(ナデシコ科)の1cm程の小さな花が沢山確認でき、ギンリョウソウの群落にも会えました。ギンリョウソウはイチヤクソウ科ですが前述のショウキラン同様共生している菌類から養分の提供を受けて生活しているのです。

 ブナ平センターハウス側入り口に、群馬県評価:絶滅危惧類のニホンミツバチの巣があったのですが、昨年の秋にキイロスズメバチの襲撃に遭い全滅をしてしまいました。しかし本日そこを確認するとニホンミツバチが出入りをしています。どうやら新たに分蜂した女王蜂が潜り込んだ様子で、働き蜂がハウスクリーニングに忙しそうでした。

 ヒメクロサナエ
 ヒオウギアヤメ
 ツルコケモモ
 ガガンボを捕らえるマルバモウセンゴケ
 ショウキラン
 タニギキョウ
 サワハコベ
 ギンリョウソウ
 トキソウ
 ニホンミツバチ
ウグイス

0 件のコメント:

コメントを投稿